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いすみ鉄道 存続決定のごあいさつ

 本日、このように路線存続の発表ができましたことにつきまして、日ごろからいすみ鉄道に対し多大な応援、ご声援をいただいております地元住民の皆様、大 多喜高校、大原高校の生徒、先生方、ムーミン列車応援団をはじめとするボランティアの皆様、首都圏、広くは全国からいすみ鉄道をご支援いただいております いすみ鉄道ファンの皆様に深く感謝申し上げます。

 また、いすみ鉄道に対し常に好意的に取り扱っていただき、1ローカル線であるいすみ鉄道を全国区にしてくださいましたテレビ、新聞、雑誌などの報道関係、マスコミ関係の皆様に深く感謝申し上げます。
逆境の中でおいてめげることなく、毎日明るくしっかりと安全輸送、旅客業務に努めてきたいすみ鉄道の全職員の努力に感謝いたします。
 そして、私の奮闘の原動力となって支えてくれましたたくさんの友人、私の家族、特に、私のわがままを聞き入れてくれ、快くいすみ鉄道に送り出してくれた私の前職である成田空港のフライトを支えるチームの友人たちにも深く感謝申し上げます。
そして何よりも一番仕事をしてくれたムーミン、ミイ、スナフキン、スニフなどのムーミンの仲間たちに「ありがとう」と言わせていただきたいと思います。

 私は、いすみ鉄道のローカル線存廃問題というのは、房総半島、夷隅地域の問題としてはもちろんですが、今の日本の状況を考えた場合、房総半島だけの問題ではなく、日本のローカル鉄道の置かれている、全国に共通する問題として捉えております。

 ローカル線の沿線地域の住民の皆様は、日常の生活の中で、鉄道をなかなか利用する機会がなく、学校へ通う中高生や通院などのお年寄りといった、い わゆる交通弱者といわれる方々が利用の中心でありますので、過疎化、高齢化、少子化の影響で、数としての利用者は毎年減りつつあります。

 このような状況は全国的に言えることでありますから、単純に「乗らないから要らない」という論をそのまま展開すると、いすみ鉄道ばかりでなく、日本全体か ら生活路線であるローカル線は近い将来消えてなくなってしまいます。ローカル線ばかりでなくJRが運営している「○○本線」というような路線でさえ存続の 危機を迎えてしまうでしょう。そうして、その地域全体が取り残されていくことになります。

 そこで私はいすみ鉄道を観光路線としてお客様を呼び込めれば、再生できると考えました。幸い、いすみ鉄道沿線は温暖な気候で、米や野菜などの農産 物に恵まれ、いすみ市の大原漁港は伊勢海老の水揚げ高が日本一という漁獲資源に恵まれております。また、戦国武将本田忠勝の大多喜城や行元寺の波の伊八彫 刻をはじめ、たくさんの歴史的に価値がある史跡が点在する観光資源の宝庫であります。
 この土地そのものが持つ力を「宝」として捉え、このような素晴らしい地域が首都圏から日帰り圏内にある、それが千葉県の房総半島の大きな魅力であることに 着目し、地域住民の皆様からの運賃収入では不足する分を、観光客のお客様にいらしていただくことで補おうと考えました。

 そして、それを実行に移すに当たり、大変頼もしい力となったのが、ムーミン列車応援団をはじめとする地元や首都圏からいすみ鉄道にご声援をいただく皆様方の熱意でした。

 本日の存続決定のお知らせは、観光路線として地元の自治体と連携して、今の時点ではまだ眠っているたくさんの宝ものを観光資源として掘り起こ し、皆様にいらしていただくこと、そして運賃収入だけでは不足する会社の収入をお土産物等の物販で継続的に補っていくことが、会社存続の条件となっており ます。

 いすみ鉄道のキャッチフレーズは「ここには何もないがあります」です。
「何もない」を観光地にするということは、出来上がった施設の中で遊ぶ楽しさを提供するものではありません。
自然の里山の風景を、鉄道の旅を通して皆様それぞれの感じ方でどのようにお楽しみいただくか、こういうことが、これからの時代にお金をかけずに幸せな気分を味わっていただける重要な要素であると考えております。

 いすみ鉄道のスタッフは、皆様に楽しい思い出を持ち帰っていただき、明日への鋭気を養っていただくことが、いすみ鉄道が地域社会に貢献できる道であると確信し、これからも「何もない」という前提で皆様へいろいろな提案をして参ります。

 この存続決定のお知らせは、ゴールではなく、スタートであります。存続の決定は決してこれで安泰ということではございません。
このことをご理解いただき、これからもいすみ鉄道を、そして日本のローカル鉄道全体にご支援、ご声援をいただきたいと思います。

今後ともいすみ鉄道をどうぞよろしくお願い申し上げます。


2010年8月6日

いすみ鉄道
代表取締役社長
鳥塚 亮

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